携帯電話を使うときに使われるSIMは、対応しているバンド(周波数帯)がキャリアによって違います。
また、スマホの対応バンドも、メーカーや種類、シリーズや発売年月によって違います。
このSIMの対応バンドとスマホの対応バンドが大きく違うと、格安SIMを契約したのに、スマホが使い物にならないという問題が発生してしまうかもしれません。
今回は、auの対応バンドの一覧とそれぞれの特徴についてまとめました。
これからau系の格安SIMを契約しようと考えている方は、初めての格安SIMで失敗しないためにも、必ず対応バンド(周波数帯)を確認するようにしましょう。
auのLTEバンド一覧
auのLTEバンド | |
バンド | 周波数帯 |
バンド1 | 2.1MHz |
バンド11 | 1.5GHz |
バンド18/26 | 800MHz |
バンド28 | 700MHz |
バンド42 | 3.5GHz |
auに割り当てられているバンドの特徴まとめ
バンド1(band1)
2.1GHz帯(2110-2130MHz)
auのメインの対応バンドの一つで、ドコモやソフトバンクもメインとして使っている国内主要バンドです。
比較的高い周波数帯なので、大容量のデータも高速で通信をすることができます。
一方、電波が届く範囲は低周波帯のバンドよりも狭いです。
基地局が多ければ電波の届く範囲が狭くても問題ないので、基地局が多い、つまり人口の多い都市部で使われています。
auは20MHz幅の帯域幅で運用されています。
一部は3Gとして利用。
バンド11(band11)
1.5GHz帯(1485.9-1495.9MHz)
auのみが使用している周波数帯です。
10MHz帯で割り当てられています。
バンド18(band18)
800MHz帯(860-870MHz)
auだけが使用している周波数帯で、低周波帯のいわゆるプラチナバンド。
通信容量は通信速度は遅いですが、その分広い範囲に電波が届くという特徴があります。
田舎や山間部などでは対応必須の周波数帯です。
15MHz幅で運用されています。
バンド26(band26)
800MHz帯(859-894MHz)
こちらもバンド18と同じく、低周波帯のプラチナバンドです。
海外で使用されているバンドですが、auが割り当てられているバンド18とほぼ同じ周波数帯。
周波数帯がほとんど同じなので、スマホがバンド26に対応していれば、バンド18も利用できます。
バンド28(band28)
700MHz帯(773-783MHz)
こちらも低周波帯のプラチナバンド。
2015年から各キャリアで使われている周波数帯です。
バンド42(band42)
3.5GHz帯
大手キャリアそれぞれに40MHzずつ割り当てられた比較的新しい周波数帯です。
au系の格安SIMを使う時は、バンド1とバンド18もしくは26の対応は必須
auの場合は、まずバンド1とバンド18もしくはバンド26に対応していることは必須。
どちらもauがメインの周波数帯として使っているバンドで、バンド18とバンド26はプラチナバンドです。
周波数帯が似ているので、どちらかのバンドにスマホが対応していれば問題ありませんが、どっちにも対応していないと買ったはいいものの使い物にならない可能性が出てきます。
また、バンド18とバンド26のプラチナバンドは、田舎や山間部などの電波が少ない地域では必須です。
このあたりの主要なバンドにはだいたいのスマホが対応していますが、購入前には念のため確認しておきましょう。
また、バンド11や28、42のバンドに対応していると、エリアによって通信速度がアップしたり、繋がりやす区なったりすることがあります。
バンドは都市部メインで使われるバンドや、田舎で使う時に大切なバンドなど、いろいろ特徴はありますが、SIMの割り当てバンドとスマホの対応バンドが一致している数が多いのに越したことはないので、選ぶなら対応バンドが多いスマホを選びましょう。
また、一部のメーカーは同じシリーズのスマホ(例えばGalaxyS9)で各キャリア毎に対応したスマホを出していることがあります。
これから使おうとしているSIMのキャリア以外に特化したスマホ、例えばau系の格安SIMを使うのにドコモに特化したスマホを購入すると、必要なバンドに対応していなくて使い物にならないことがあります。
対応バンド(周波数帯)比較表 | ||
バンド | Galaxy S9 au版 | Galaxy S9 ドコモ版 |
バンド1 | ◯ | ◯ |
バンド18 | ◯ | △ |
バンド26 | ◯ | △ |
上記のように、auのメインバンドに、ドコモ版のGalaxy S9は対応が明記されていないので、つながらない可能性があります。
スマホによっては同じシリーズでも対応バンドが違うことがあるので、注意してください。
auの音声通話はVoLTE方式
ドコモやソフトバンクは現在のところは、W-CDMAという3Gの通信方式を使って音声通話をするのが基本ですが、auは3Gを使った通信方式ではなく、LTEを活用したVoLTEという通信方式を使って音声通話をするようになっています。
以前までは他のキャリアと同じように3GのCDMA2000という通信方式を使っていましたが、最近からはVoLTEをメインにしています。
CDMA2000は、世界的に見るとあまり使われていない通信方式で、日本でも2020年を目処に使えなくなる予定です。
VoLTEってどんな通信方式?
VoLTEは、その名前の通りLTEの通信方式を使って通話する音声通話のことです。
3Gを利用した音声通話の場合、音声通話をするたびに3Gに切り替えて通話をしていましたが、VoLTEはLTEを使っているので、高速通信を利用したまま音声通話をすることができます。
高い音の音質が良くなる、通話中でも通信速度が落ちない、通話がすぐにつながるといったメリットがあります。
auが早く対応し始めて、最近はドコモやソフトバンクもかなりVoLTEに移行してきているので、そのうち完全にVoLTEに移行するのではないかと思います。
VoLTEはキャリアが違うと従来の通話方式になる
VoLTEは高品質で便利な通信方式ですが、現状はVoLTEに対応していてもキャリアが違う場合はVoLTEではなく、今までの通話方式になってしまいます。
例えば、auのVoLTE対応端末とドコモのVoLTE対応端末で通話をすると、VoLTE方式の音声通話になりそうなイメージですが、実際は3Gの通信方式になります。
au VoLTE対応機種同士(auの4G LTEエリア内)の場合、高音質通話となります。
その他の場合は、従来の音質相当での通話となります。
引用:https://www.au.com/
キャリア間でVoLTEを使った通話ができない理由は、「キャリア同士が協力し合っていないから」「まだ3Gを使えばキャリア間で通話ができるからわざわざ急いで対応する日強グアない」など色々言われているようです。
このままVoLTEが順調に主流になっていけばそのうち3Gは使えなくなるので、各キャリアで通話ができるようになるはずです。
この辺りは各キャリアが対応してくれるのを気長に待つしかなさそうです。
auに割り当てられているバンド(周波数帯)のまとめ
auは、割り当てられているバンドの中でもバンド1とバンド18もしくはバンド26にスマホが対応しているかどうかが大切です。
一部のスマホや海外製のスマホの場合は対応していないことがあるので、必ず購入前は確認しておきましょう。
また、VoLTEという通信方式が主流になっているものの、キャリアが違ったり、VoLTEに対応していない2014年以前の携帯電話と通話する場合は、VoLTEを使った通話はできません。
今後各社が協力して対応してくるとは思いますが、今は使えないこともよくあると思っておきましょう。
格安SIMとスマホがセットになった契約をする場合は問題ありませんが、以前使っていたSIMフリーのスマホを使って格安SIMを使う場合や、SIMとスマホを別々に購入・契約する場合は、事前に対応バンド確認がポイント。
失敗してしまうと新しくスマホを買い直す必要がでてくるので、「間違って使い物にならない買い物をしてしまった」とならないようにしましょう。
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