ドコモのホームルーターhome5Gは遅い?実際は他のホームルーターより優秀
ドコモhome5Gに限らず、ホームルーターや通信回線は利用する場所や環境などの相性によって、速くも遅くもなります。ドコモhome5Gも例外ではなく、契約したはいいものの速度が遅いと不満を持つ方もいます。
ただ、平均するとホームルーターの中では速度・安定性に優れているのがドコモhome5Gです。実際にどのくらいの速度が出ているのかを他のホームルーターや通信回線と比べて、遅いかどうかを確認します。
ドコモhome5Gと他のホームルーターとの速度比較
ドコモhome5Gは、他のホームルーターと比べると速度・安定性に優れています。
自分に合ったホームルーター(置くだけWiFi)の選び方とおすすめのホームルーターの記事でも触れていますが、速度・安定性よりも価格面で選ぶならドコモhome5Gよりも安いWiMAX+5Gがおすすめです。ですが、価格よりも速度・安定性を求めるのであれば、ホームルーターの中ではドコモhome5Gをおすすめしています。
サービス/通信速度 | ダウンロード速度 | アップロード速度 |
ドコモhome5G | 229.09Mbps | 20.24Mbps |
WiMAX | 67.12Mbps | 11.05Mbps |
ソフトバンクエアー | 60.45Mbps | 7.22Mbps |
上記はあくまで平均速度にはなりますが、WiMAX・ソフトバンクエアーと比べて遅いことはなく、むしろダウンロード速度・アップロード速度共に速いことがわかります。
光回線・モバイルWiFiと速度比較
次に、他の通信回線と比較します。光回線・モバイルWiFiとhome5Gを比べてみると遅いのでしょうか?以下は、光回線の中からeo光を、モバイルルーターからはWiMAXをピックアップして、ドコモhome5Gの速度と比較した表です。
通信回線/通信速度 | 平均ダウンロード速度 | 平均アップロード速度 |
eo光 | 567.24Mbps | 472.54Mbps |
WiMAX | 38.31Mbps | 7.19Mbps |
ドコモhome5G | 229.09Mbps | 20.24Mbps |
これを見ると、当然ですが光回線よりは遅いことがわかります。逆に、モバイルルーターよりはドコモhome5Gの方が速度が期待できることがわかります。
こうしてみると、光回線には及びませんが、ドコモhome5Gは決して遅いわけではないこともわかるのではないかと思います。
動画配信サービスなども基本的には問題なし
他のホームルーターや通信回線と比べても、ドコモhome5Gは決して遅いわけではないことがわかったかと思います。しかし、自分の利用するサービスに必要な速度をドコモhome5Gが出してくれなければ、遅いということになってしまいます。
そこで、人気のある動画配信サービスなどで要求される速度がどのくらいなのかを確認していきます。
Netflix(ネットフリックス)
画質 | 必要速度/推奨速度 |
標準画質(SD) | 1Mbps |
高画質(HD) | 720pの場合は3Mbps、1080pの場合は5Mbps |
4K/UHD 4K(UHD) | 15Mbps |
Zoom
モバイル端末の場合
通話の種類 | 品質 | 必要速度/推奨速度 |
1対1ビデオ通話 | HDビデオ | 1.2Mbps(上り/下り) |
グループビデオ通話 | ギャラリービュー/720pHD | 1.5Mbps/1.5Mbps(上り/下り) |
PC端末の場合
通話の種類 | 品質 | 必要速度/推奨速度 |
1対1ビデオ通話 | 1080pHDビデオ | 受信・発信共には1.8Mbps(上り/下り) |
グループビデオ通話 | 1080pHDビデオ | 受信には2.5Mbps(上り/下り)、発信には3.0Mbps(上り/下り) |
Hulu
Huluも問題ありません。
端末の種類 | 必要速度/推奨速度 |
パソコン | 下り速度6Mbps |
スマートフォン/タブレット | 下り速度3Mbps |
テレビ/ブルーレイプレーヤー/ゲーム機/メディアプレーヤー | 下り速度6Mbps |
Amazon Prime Video(アマゾン プライム ビデオ)
Amazon Prime Videoの場合は推奨速度が他と比べて高くなっていますが、どれも問題ない速度です。
画質 | 必要速度/推奨速度 |
SD(標準画質)コンテンツの場合 | 1MB/s以上(8Mbps以上) |
HD(高画質)コンテンツの場合 | 5MB/s以上(50Mbps以上) |
Disney+(ディズニープラス)
ディズニープラスも必要な速度は高めですが、どちらも問題ないです。
画質 | 必要速度/推奨速度 |
高画質コンテンツ | 5.0Mbps |
4K UHDコンテンツ | 25.0Mbps |
U-NEXT
端末の種類 | 画質 | 必要速度/推奨速度 |
パソコン | 標準画質 | 1.5Mbps以上 |
パソコン | 高画質 | 3Mbps以上 |
スマートフォン・タブレット | 標準画質 | 1.5Mbps以上 |
スマートフォン・タブレット | 高画質 | 3Mbps以上 |
Android TV、U-NEXT TV | 標準画質 | 1.5Mbps以上 |
Android TV、U-NEXT TV | 高画質 | 3Mbps以上 |
また、U-NEXTには「4KHDRの再生は15Mbps以上の速度が必要です。(有線接続をお勧めします)」という注意書きもあります。
YouTube
動画の解像度 | 必要速度/推奨速度 |
SD360p | 0.7Mbps |
SD480p | 1.1Mbps |
HD720p | 2.5Mbps |
HD1080p | 5Mbps |
4K | 20Mbps |
実際に利用してドコモhome5Gの速度が遅い場合の対策方法
ドコモhome5Gの速度が遅い場合に取れる対策方法としては、
- 利用する機器の通信量を数日間減らしてみる
- home5Gで利用する周波数帯を2.4GHzから5GHzに変更する
- home5Gと利用する機器を有線接続する
- home5Gの設置場所を変更してみる
の4つの方法が考えられます。どれも確実に速度改善ができるわけではありませんが、確認・試してみる価値はあります。ただし、闇雲に試しても意味がありません。速度測定アプリを使って速度を測りながら、各方法を試すようにしてください。
利用する機器の通信量を数日間減らしてみる
ドコモhome5Gは基本的には速度制限はありません。ただ、大量に通信量を消費することで一時的に速度制限をかけられる場合があります。また、どのくらい通信量を使えば速度制限にかかるかは明言されていません。
・ネットワークの混雑状況により、通信が遅くなる、または接続しづらくなることがあります。また、当日を含む直近3日間のデータ利用量が特に多いお客さまは、それ以外のお客さまと比べて通信が遅くなることがあります。なお、一定時間内または1接続で大量のデータ通信があった場合、長時間接続した場合、一定時間内に連続で接続した場合は、その通信が中断されることがあります。
・機械的な発信等により、1度のデータ通信接続において大量のデータ通信があった場合や、一定時間内に連続でデータ通信接続をした場合など、当社設備に影響をおよぼすと当社が判断した場合は、そのデータ通信の速度を制限することがあります。・機械的な大量発信等により、当社設備に影響をおよぼすと当社が判断した通信を行う回線について、一定期間ご利用を停止することがあります。
・特定のコンテンツやアプリでの大量のデータ通信等により、当社設備に影響をおよぼすと当社が判断した場合は、当該コンテンツやアプリ利用におけるそのデータ通信の速度を制限することがあります。
https://www.docomo.ne.jp/home_5g/charge/notice.html
普通の使い方をしている分には速度制限にかかるケースは少ないと思われますが、異常に速度が遅いと感じたら、速度制限にかかっている可能性があります。
そのような場合は、どれだけ通信量を使っているのか確認してみてください。通信量はマイドコモからログインすれば確認することができます。もし通信量を大幅に消費していれば、数日間通信量を節約してみることをおすすめします。もし速度制限にかかっていたのであれば、通信量を節約することで速度が改善する可能性があります。
home5Gで利用する周波数帯を2.4GHzから5GHzに変更する
home5Gでは、利用する周波数帯を2.4GHzと5GHzから選ぶことができます。もし、現在利用している周波数帯が2.4GHzの場合は、5GHzに変更することで若干速度が改善する可能性があります。
2.4GHzと5GHzの違いは「届く距離」と「安定性」!周波数帯の違いを知ってインターネットを快適にの記事で詳しく解説していますが、障害物が少ない状況では、5GHzの方が電波が2.4GHzよりも安定しやすいという特徴があります。
なので、現在2.4GHzを利用する設定になっていた場合は、一度5GHzを利用する設定に変えて、どちらの方が速度が速く・安定するかを比べてみる方法を試してみてください。
ドコモhome5Gで周波数帯を設定する方法は以下の通りです。周波数帯を変更する場合は、あらかじめマルチSSIDに設定しておいてください。
・設定ツール画面で[設定]▶[Wi-Fi設定]▶[基本設定]を順にクリック
・[インターフェース]で周波数帯を変更するSSIDを選択
・[Wi-Fiモード]で周波数帯を選択
・[適用]をクリック
https://www.docomo.ne.jp/binary/pdf/support/manual/HR01_J_syousai_FV.pdf
home5Gと利用する機器を有線接続する
無線よりも有線の方が速度・安定性共に期待できます。もし、home5Gの速度が遅い場合かつ有線接続での利用も問題ない場合は、速度を向上させたい機器とhome5GをLANケーブルで接続し、速度を測定してみてください。
ちなみに、home5Gと特定の機器を有線接続していても、他の機器は問題なくhome5GとWiFiで接続できるようになっています。
home5Gの設置場所を変更してみる
home5Gに限らず、ホームルーターやモバイルルーターの接続速度が遅い場合は、設置場所を変えることで速度が改善するケースがあります。設置する場所のポイントは以下の通り。
home5Gを遮るものができるだけ少なくなる場所に置く
遮蔽物があると速度が遅くなりやすいので、できるだけhome5Gを遮る物が少なくなる場所を探して設置します。
基地局の電波が届きやすい窓際に置く
今設置している場所が窓から遠い場所にある場合は、できるだけ窓際に近い場所に設置して試してください。
home5Gは光回線とは異なり、基地局を通じてインターネットを利用しています。そのため、基地局から電波を受け取りやすい場所に設置することで、電波が改善する可能性があります。
床から少し上に置く
WiFiの電波は、WiFiルーターから球体状に飛ぶように設計されています。そのため、床から少し離れた1~2mほどの場所に設置することで、床に設置するよりも電波を効率よく飛ばせることが期待できます。
また、よく利用する場所もしくは家の中心に設置することで、球体状に満遍なく電波を飛ばせるようになり、速度の向上が期待できます。
ホームルーターで速度・安定性を求めるならドコモhome5Gはおすすめ
ドコモhome5Gは、光回線と比べると遅いです。使用環境や地域などの相性によっては、速度が遅いというケースも発生します。また、home5Gを利用するには端末の購入が必須で、途中で解約すると端末の残債金額を払う必要があるため、home5Gから光回線に変える時に余分にお金がかかってしまいます。
そうならないために、速度・安定性が必須なら、手間をかけてでも最初から光回線を契約することをおすすめします。
ですが、光回線が契約できない事情があるものの速度・安定性は欠かせないという方がホームルーターを選ぶなら、多少の価格を妥協してもドコモhome5Gを選ぶことをおすすめです。
選び方は簡単!自分に合ったホームルーター(置くだけWiFi)の選び方とおすすめのホームルーターの記事でも解説していますが、価格を重視するならWiMAX+5G、速度・安定性を重視するならドコモhome5Gがおすすめです。