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無線LANルーターには、
・ルーターモード
・ブリッジモード
・中継機モード
の3つのモードに切り替えられる機能がついているものがあります。
ルーターモードはルーターの役割に特化したモード、ブリッジモードはアクセスポイントの役割に特化したモード、中継機モードは他のルーターと連携して遠くまで電波を飛ばす仲介役の役割に特化したモード、という違いがあります。
ですが、この説明を聞いてもそれぞれのモードの違いはあまりイメージができないのではないでしょうか?実は、この3つのモードの違いを理解するためには、自宅でインターネットが繋がる仕組みの全体像を知っておくことがポイント。細かいことはわからなくても、インターネットがどんな風につながるのかという全体感を知っておくだけで、ルーターモード ・ブリッジモード・中継機モードの違いが格段にわかりやすくなります。
そこで、当記事でははじめに自宅でインターネットが繋がる全体像を簡単に説明し、その後にルーターモード、ブリッジモード、中継機モードの違いを説明していきます。
自宅インターネットが繋がる流れ
まずは、自宅でインターネットが繋がる仕組みの全体像について。
自宅でインターネットが使えるようになるまでには、図のようなサービスや機器が関わっています。この図のような機器やサービスを揃えて、それぞれを繋ぎ合わせることで、自宅でインターネットが使えるようになります。
かなり簡略化していますが、自宅インターネットの全体像はこんな感じです。
ルーターモード・ブリッジモード・中継機モードについて解説
インターネットの全体像が何となく掴めたと思うので、ルーターモード・ブリッジモード・中継機モードについて解説していきます。
ルーターモードはルーターの役割に特化したモード
ルーターモードのルーターは、図の中にある無線LANルーターに備わっている機能の一部を指しています。
ルーターとは、一つの回線でスマホやパソコンのような端末を同時に複数使えるように、通信の交通整理をしてくれる機器のこと。ルーターモードは、無線LANルーターをルーターだけの機能に特化させるように設定するモードのことです。
ブリッジモードはアクセスポイントの役割に特化したモード
図の中にはブリッジという言葉はありませんでしたが、これも無線LANルーターの中にある一部の機能だけをするように設定するモードです。具体的には、アクセスポイントという機器の役割に特化するために設定するモードになります。
無線LANルーターは、さっき出てきたルーターに加えて、アクセスポイント・スイッチングハブという3つの通信機器の機能を備えた通信機器です。この中でアクセスポイントは、スマホやパソコンなどの端末からインターネットを無線で使えるようにしてくれる働きをしています。もう少し細かくいうと、インターネット回線からきた信号を電波に変換してくれます。
ちなみに、ブリッジモードは他にもアクセスポイントモードやAPモードといった呼ばれ方もします。
中継機モードは電波の仲介をする役割に特化したモード
中継機モードは、ルーターモードやブリッジモードと違い、図の中にはない役割をしてくれるモードです。中継機という名前の通り、遠くまで電波を飛ばすための中継地点になるためのモードです。
広い家や部屋数の多い家だと、ルーターが一つだけだと電波が届きにくい場所ができてしまい、インターネット接続が不安定になったり、通信速度が低下してしまうことがあります。場所によっては、電波が弱くてインターネットにつなげなくなることも。中継機モードは、この電波の届く距離を改善するためのモード。元となるルーターから飛んできた電波を中継して、さらに遠くまで電波を届ける手助けをしてくれます。
ルーターモード・ブリッジモード・中継機モードは用途によって使い分ける
それぞれのモードの違いはざっくりわかったと思いますが、一体どんな使い分けをすればいいでしょうか?
・基本はルーターモードで使用
・ブリッジモードはONUにルーター機能があれば使うかも
・中継機モードは広い家や部屋数の多い家などで使うかも
基本はルーターモードで使用
一般的な家庭であれば、無線LANルーターはルーターモードでの使用になるかと思います。基本的には、広さや部屋の数などを参考にしながら、それに適した無線LANルータを購入すれば、無線LANルーター一台・ルーターモードで問題なくインターネットが使えるかと思います。
ブリッジモードはONUにルーター機能があれば使うかも
ブリッジモードは、ONUにルーター機能がついている時に使用することが多いと思います。
ONUは、一般的には光回線業者からレンタルすることが多いですが、このONUにルーター機能が備わっていることがあります。この場合、ONUにルーターモードで無線LANルーターを繋いでしまうと、二重ルーターという状態になり、接続性能の低下を招いてしまいます。このような場合に、無線LANルーターをブリッジモードにする事で、ONUのルーター機能を使いつつ、無線LANルーターが電波を飛ばしてくれるようになります。
ブリッジモードは、ルーターモードと比べるとマイナーな場面での用途に使われるため、ルーターモードと比べると、使用する機会は少なくなるかと思います。
中継機モードは広い家や部屋数の多い家などで使うかも
中継機モードは、広い家や部屋数の多い家などで、できるだけ電波をしっかり・遠くまで飛ばしたいときに使います。中継機モードで使用するためには、大元となる無線LANルーター、もしくは中継機モードの無線LANルーターまで電波を飛ばす仕組みが必要になります。
中継機モードも、ルーターモードと比べると使用する機会は少ないかと思います。
ルーターモード・ブリッジモード・中継機モードのまとめ
・ルーターモードは、ルーターの役割に特化したモード
・ブリッジモードは、アクセスポイントの役割に特化したモード
・中継機モードは、電波の仲介をする役割に特化したモード
それぞれのモードを理解するためには、自宅でインターネットが使える仕組みの全体像をなんとなく知っておくことがポイント。全体像を知っておくだけで、それぞれのモードの理解に役立つとともに、インターネットをつなぐときにも役に立ちます。
インターネットの準備をする時に出てくるルーターやモデム、ONUの違いについて「モデム・ルーター・ONUの違いは何?」の記事で解説しているので、こちらも合わせて参考にしてください。
